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10月に真夏日。企業は「天気」をどうマーケティングに使っている?

気温で上着を選べるユニクロ、天気に合わせて服装の広告を変えるAndemiu、涼しさを旅の魅力にするJR東日本。身近な実例からウェザーマーケティングを読み解きます。

強い日差しの店先で、冷たい飲み物と秋の色の服を対比した写真風の生成イメージ。実際の気象観測写真ではありません

10月21日、大阪で観測史上最も遅い真夏日になったと報じられました。[1] 売り場には秋服が並んでいるのに、外は汗ばむ暑さ。この季節と体感のずれに、企業はどう向き合っているのでしょうか。

気象データを商品や広告に活かす取り組みは、ウェザーマーケティングと呼ばれます。身近な服選びから旅の行き先まで、天気がマーケティングに入り込んでいる三つの実例を見てみます。

01 ユニクロは、上着を「気温」で選べるようにした

ユニクロは2026年9月、秋冬の上着を紹介する企画で、25℃から10℃以下まで、気温に合わせたおすすめを案内する早見表を発表しました。大人向けに加え、子どもの服の情報も掲載しています。[2]

秋の新作と聞けば、おしゃれの楽しみは伝わります。でも、暑い日に厚手の服をすすめられても、今着る場面は想像しにくい。そこで、商品の選び方に「今日の気温なら、どれが合うか」という基準を加えています。

服の種類に詳しくなくても、出かける日の気温は調べられます。商品の分類を、生活者が選びやすい基準へ置き換える。早見表をマーケティングの視点で見ると、そんな役割が見えてきます。

02 Andemiuは、その日の寒暖差に合わせて広告を変える

アダストリアのブランドAndemiu(アンデミュウ)は、2024年秋から天気アプリで気温に合った服装の広告を配信。ウェザーニューズの導入事例によると、最高・最低気温をもとに三つのグループをつくり、それぞれに合うコーディネートを表示しました。[3]

紹介されているのは、朝は10℃以下、昼には20℃を超えるような日の例。朝はコートとカーディガンを重ね、暖かくなった昼はカーディガンだけで過ごす、という着方まで広告で示しています。

ここで天気は、広告を出す時期を決めるだけでなく、何を見せるかを決める材料になっています。天気を調べている人は、その後に着る服も考えている。その場で知りたいことと服の提案がつながるのが、この事例の面白いところです。

03 JR東日本は、暑さを「涼しい場所へ行く理由」に変えた

暑すぎると、旅行そのものをためらう人もいます。JR東日本は、気象データを使って涼しい地域への鉄道旅行を紹介する「避暑旅」を展開しました。ポスターなどでは行き先と気温をわかりやすく示し、詳しく知りたい人には公式サイトで体感に関する情報も届ける構成です。[4]

JR東日本「避暑旅」の車内広告の掲載写真。青い広告面に26.7℃、25.4℃、23.4℃など旅先の気温を大きく表示している。
画像引用:ウェザーニューズ掲載「JR東日本『避暑旅』導入事例」の車内ポスター写真。画像を押すと拡大できます。

車内広告の写真を見ると、青い広告面に「26.7℃」「25.4℃」「23.4℃」などの数値が大きく並んでいます。導入事例によると、示したのは2024年8月の各避暑地の最高気温の1か月平均。今日の予報や現地の全時間帯の気温ではありません。まず数値で涼しさに気づいてもらい、詳しい条件や体感はサイトで伝える。その情報の出し分けまで、広告の実物から読み取れます。

例えば、景色の美しさを伝える旅行広告なら、関心の入り口は観光です。この企画では、今いる場所の暑さと、旅先で過ごせる涼しさが入り口になります。同じ旅先でも、生活者が今感じていることに合わせて、魅力として見せる面が変わるわけです。

暑さという旅行の妨げにもなる条件から、移動する楽しみを見つける。この発想は、服の広告を気温に合わせる取り組みとも通じています。

04 予測するだけでなく、選びやすくするために

気象データの活用には、売れる量を予測する仕事もあります。日本気象協会は、販売データと気象データを照らし合わせ、商品が売れ始める時期やピークなどを予測するサービスを提供しています。作りすぎや、品切れで売り逃す機会を減らすための使い方です。[5]

今回の三つの事例では、そこからさらに、服を選ぶ基準、広告で見せる着方、旅先の魅力の伝え方まで気象情報が使われていました。

「秋物を買ってほしい」という売り手の予定と、「今日は何を着て出かけよう」という買い手の関心。その間を埋める情報をつくる。天気のデータを、暮らしの中で選びやすい情報へつなぐところに、ウェザーマーケティングの面白さがあると考えます。

根拠・参考資料と、この記事の見方

各社の取り組みは公式発表・サービス提供者の導入事例に基づきます。選び方や伝え方としての意味はHYPEUP編集部の読み解きです。 出典の確認日:2026年10月21日。

[1] 日本気象協会配信:大阪で93年ぶりに最晩真夏日を更新(mixiニュース、10月21日11時18分)

[2] ユニクロ:2026年秋冬カジュアルアウターと気温別上着早見表(2026年9月16日)

[3] ウェザーニューズ:Andemiuの気温別コーディネート広告の導入事例

[4] ウェザーニューズ:JR東日本「避暑旅」の導入事例

[5] 日本気象協会:商品需要予測の考え方(2024年10月24日、PDF)

表紙は記事のテーマを表す生成イメージです。実際の商品・店舗・出演者・取材現場の写真や再現画像ではありません。

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